じわじわ増えている、新しいカタチの本屋
読書って、とっても気軽なソロ活だと思いませんか?
いつでもどこでも、本を開いたらその中に入り込んで没頭できる。
気づいたら時間が過ぎている。
本は、とても簡単に非日常体験ができるすごいアイテムだと思います。
一方で最近は出版不況とも言われていて、雑誌の廃刊や本屋の閉店といったニュースもよく聞かれます。
そんな中、いま密かに盛り上がりを見せているのが「シェア型書店」です。
今回は、新しい本との出会いを生み出してくれるこの「シェア型書店」についてご紹介したいと思います。
書店オーナーが一堂に集まる「シェア型書店」とは?
この「シェア型書店」とは何なのか、簡単にご紹介したいと思います。
「シェア型書店」は、小さな本屋の集合体

「シェア型書店」と聞いて、何をシェアするのかピンとこない人も少なくないと思います。
「シェア型書店」は、見た目には普通の本屋のように見えますが、中に入ると四角く区切られた小さな棚が並んでいて、その棚一つ一つに書店名がつけられています。
そうなんです。ここは小さな本屋が集まる場所。
「本を売ってみたい」「書店をやってみたい」という個人が棚を借りて、自分好みの本を並べて売っているのです。
つまり、本屋というひとつの空間をたくさんのオーナーさんがシェアしているというのが最大の特徴です。
個性豊かな小さな本屋が並ぶ店内

それぞれの小さな本屋は、そのオーナーさんの好みが出ていて実に個性的。
本を含めてその世界観を表現したPOPが飾られていたり、ひとつの町や動物に特化した本ばかりが並べられていたり。
お店の中を歩いていると、一般的な本屋と違って粗削りながらもバラエティ豊かで楽しくなります。
売られているのは中古本やZINE

多くの場合「シェア型書店」で売られているのは、そのオーナーが読んで「他の人にもぜひ読んでほしい」と思ったおすすめの本(中古本)です。
また、自分で企画・制作して仕上げたZINE(ジン)を並べているお店もあります。
ZINEは一般の本屋には並ばないので、ある意味レアです。
「シェア型書店」は密かに増加中
この「シェア型書店」、最近では密かにその数を増やしています。
都内や近郊だけでも、渋谷、吉祥寺、神保町、飯田橋、祖師ヶ谷大蔵、横浜など。
地方でも「え、こんな場所に?」と思うような立地に「シェア型書店」が誕生しています。
また多くの「シェア型書店」の棚はほとんど埋まっている状態。
それだけ、本を売ってみたいという人が多いことにも驚かされます。
渋谷のど真ん中にあるシェア型書店「渋谷〇〇書店」

都内にある代表的なシェア型書店のひとつが「渋谷〇〇書店」(シブヤ・マルマル・ショテン)。
渋谷のど真ん中、渋谷ヒカリエの8階で2021年から営業しています。
約200人のオーナーが集まったお店

「渋谷〇〇書店」には現在、約200人のオーナーが小さな本屋を出店しています。
その棚はまさに個性の宝庫。
いろいろなテーマで彩られた本屋が並んでいるので、それを見ているだけでも楽しくなります。
お店の一角には推し本の棚があり、各オーナーが選んだ一押しの本が並べられています。
ここを見るだけでも、バラエティ感を感じることができます。
また時期により、「旅」などひとつのテーマで集められた特集コーナーが生まれるのも特徴の一つです。
オーナーとも会えるお店

「渋谷〇〇書店」のコンセプトは“みんなでつくる本屋さん”。
そのため各店のオーナーが順番にお店番に立ちます。
運が良ければ、気になったお店のオーナーと話ができるかも。
本好きのオーナーが多いので、お気に入り本の話で盛り上がることもありそうです。
営業はやや不定期
「渋谷〇〇書店」の基本的な営業日時は、平日・土日祝共に12:00~18:00(まれに20:00まで営業 年末年始は休業)。
ですが各オーナーが持ち回りでお店番をするということで、誰も担当できない時にはお店が休みとなります。
行きたいと思ったら、まずは公式Xをチェックしてくださいね。
渋谷〇〇書店にある、“中身の見えない本”を売る本屋

いろいろな小さい本屋が並ぶ渋谷〇〇書店内で、中身の見えない本を売るという個性的な本屋があります。
それが「GACHA-BOOKS」。
ガチャガチャを回すように、本との偶然の出会いを楽しんでほしいという想いからこのネーミングとなりました。

並べられている本にはすべてカバーが掛かっていて、中身は全く見えない状態。
カバーに書かれた紹介文をもとに、想像力を膨らませて本を選ぶ、という仕組みなっています。
まさに、ガチャガチャを回すような感覚です。
「こんな売り方で本当に本が売れるの?」と思うわけですが、意外にもこのコンセプトに惹かれて本を購入する方がいらっしゃるから不思議です。
お客さんからは、
「このコンセプトに惹かれました」
「普通の本屋だと結局本が選べなくて帰ることとがあるので、ありがたいです」
といった声が届いているとか。
何が刺さるかわからないものですね。
こちらの「GACHA-BOOKS」、公式サイトがあり、ラインナップされている本の紹介文をすべて読む事ができます。
また取り扱っている「ガチャ本」を、自宅に届けてくれるサービスも始まっています。
「渋谷にはあまり行かないんだよな」という人でも、中身の見えない本を購入することが可能です。
手軽なソロ活、読書の幅を広げてくれる「シェア型書店」
最近密かに増えている「シェア型書店」をご紹介しましたがいかがでしょうか?
一般の書店には目的買いのために行くことが多いかと思いますが、「シェア型書店」には、何が置かれているかわからない楽しみがあります。
普段から本を読む人はもちろん、本から縁遠くなっている人も、散歩がてら一度覗いてみるのはいかがでしょうか?
新しい世界が広がるかもしれませんよ。



