冬だけでなく一年中楽しめる編み物は、おすすめのひとり趣味です
みなさんは「編み物」と聞いて、どんなイメージを持たれますか?
ほっこりする?おばあちゃんっぽい?
実は最近の編み物は、そんな印象からは一味も二味も違っています。
ニット作家さんが発表する本は、どれもファッション誌のようにオシャレなものばかり。
昔ながらのシンプルな物を編むにしても、見違えるほど素敵な糸もたくさん開発され、簡単に購入することができます。
ファッショナブルでクリエイティブな編み物の世界を、少し覗いてみませんか?
私と編み物の出会い〈幼少期編〉
生まれて初めて編み物に出会ったのは、ひいばあちゃんの家でした。
洋裁や編み物を仕事にしていた曾祖母は、家族のベストやセーターをサイズぴったりに編んでくれていました。
母が編んでもらったセーター。今は私が着ている。
小学生の夏休み、私と姉で編み物を習う事に。
曾祖母宅にある毛糸を選んで、棒針を借り、ボーダーのマフラーを編みました。
完成したマフラーの編み目はガタガタ、幅も不揃い、色は合ってないし長さも足りない。
人前で使えるものにはなりませんでしたが、達成感は大きかったし、編んでいる最中の没頭感も心地よくて、編み物に良い印象を持ったのを覚えています。
私と編み物の出会い〈大人編〉
十数年後。
大学生になり自由な時間が増えた私は、裁縫や編み物に手を出しはじめました。
そんな中、知り合いが毛糸屋を始めたという話を聞き、早速お邪魔することに。
お店に立ち入った瞬間、本当にその一瞬で、私は毛糸の虜になってしまいました。
様々な太さや素材、色味やラベルは、どれも私の創作欲を掻き立てるには十分すぎました。
編み物本の存在も知り、
これ着たい!これ使いたい!これ編みたい!!
と、自分の技術に関わらず編みたいものが増えていきました。
その時は店主に道具を借りながら、毛糸もちまちま買い足しながら、縄編みのマフラーを編みました。
幅の不揃い感や配色のノープラン感がいかにも初心者ですが、とにかく暖かくて今も使っています。
これをきっかけに棒針編みにハマり、セーターや小物を編みました。
靴下などの小物は、編みかけを持ち運びやすいので、どんどん増えていきます。
夏になるとかぎ針で小物を編みたくなる習性があり、かぎ針編みもこんな感じ。
よくバッグなどの入れ物系を編みます。
棒針編みとかぎ針編みの違い
大きく分けて編み物には「かぎ針編み」と「棒針編み」の二種類があります。
かぎ針編みは先端がフック状になった針1本で編みます。
編み地は伸縮性がほぼ無く、厚めです。
棒針編みはまっすぐな針を2本使って編みます。コードでつながった輪針も便利です。
編み地は伸縮性があり、薄めに仕上がります。
この二つ、そもそも編み目の作り方が全く違うのですが、大きな違いを挙げるとしたら、ほどき方です。
編み物をしている以上、編み間違いは必ず発生します。
ほとんどの場合、解いて戻らなければいけません。
この編み目を解いて戻る難易度と時間が、大きく異なります。
かぎ針編みは、針を外して糸を引くだけで解けます。超簡単。
それに比べ棒針編みは、右の針にかかる新しい目を左の針に戻しながら解く必要があり、一目一目作業するので時間がかかります。
そういうわけで、編み物にチャレンジする場合、かぎ針と棒針のどちらにも興味があって悩むときは、かぎ針から選ぶ事をおススメします。
棒針編みの仕上げにかぎ針を使う事もあるので、かぎ針編みをマスターしていて損は無いです。
編み物にはいくつかの沼がある
一言で「編み物が好き」と言ってもその楽しみ方によってハマる沼が違うと、私は思います。
①毛糸沼
買っちゃうんです。
でも仕方ない。この世界には可愛い糸が多すぎる!
国内メーカーだけでも新色や新商品が次々に出るので、発表のたびに胸がトキメきます。
また、糸をオリジナルカラーに染めて販売している手染め作家さんや、手紡ぎ作家さんもいらっしゃいます。
一期一会の毛糸に出会うと、「同じロットでまとめ買いしなきゃ!」と謎の責任感に後押しされ、ポチリ。
海外の毛糸もこれまた無限に可愛くて、探せば探すほど素敵な糸に出会えます。
マイコレクションより、とっておきの輸入毛糸
日本国内でも、輸入毛糸専門店がいくつかあるので、そこで運命の糸に出会うのも楽しみ。
最近は、世界中の毛糸を紹介する図鑑なども出ています。
手元に毛糸はたくさんあるのに、次から次に欲しくなる。これが毛糸沼です。
私の所持毛糸たち。(もちろん他にもある。汗)
②パターン沼
編み物をするとき、大抵の方が「パターン」と呼ばれるレシピを見ながら編んでいます。
書籍などに掲載されているパターンの他に、web上でダウンロードするパターンもあります。
ダウンロード形式の場合、無料のパターンもたくさんあります。
こうして編みたいパターンを集めていくのですが、
「今持っているパターン、生きているうちに全部編めるのか?」
という状態になってしまうまで、そう長い時間はかかりません。
集めたパターンコレクションを眺めながら、ニヤニヤと妄想を膨らませるのも、これまた楽しいのです。
これがパターン沼。
③編み本沼
パターンが欲しいのはもちろんなのですが、写真集的な、推し活的ノリで買ってしまうのが編み本です。
好きなニット作家さんが新刊を出すとわかった瞬間、もう、どんなパターンが掲載されているかなんて確認もせず購入してしまうのです。
デザインを信頼しているという事もあるのですが、「推し活」という言葉がピッタリです。
↑私が持っている編み本の一部。どれも眺めるだけでワクワクします!
④その他の沼
靴下をひたすら編むソックニッター沼、手つむぎ沼、手染め沼、植物染め沼、道具沼、、、
私の知らない沼も、まだまだありそうです。
編み物道具も、かわいいものがたくさん!
おすすめの始め方
編み物を始めてみようと思ったら、「編みたい!」と思えるパターン探しから初めるのはいかがでしょうか。
初心者向けのキットなどから選ぶのも良いですが、「編みたい!」「完成させたい!」「使いたい!」と思える作品の方が、熱量高く取り組めるのでおススメです。
最近は、パターンと編み方の動画がセットになった商品もあるので、自分に合った学び方を見つけてみてください。
慣れてきたら、編みたい糸に合わせてパターンを探すのも楽しいですよ。
編み物は自由だ!これが合言葉です。
ニッター必須のwebサイト
ravelry(ラベリー)というwebサイトをご紹介します。
こちらは編み物を愛する世界中の方々と繋がれるサイトです。
パターンや糸、ニッター、デザイナーなどを検索することができ、自分の作品を投稿することもできます。
ステキなパターンをみつけたらラベリー内で購入やダウンロードをすることができます。
無料パターンに絞って検索することもできますので、編み物に慣れたら是非活用してみてください。
ラベリーの始め方や使い方を解説したYoutube動画も多数ありますので、ご安心を。
ここで注意事項を一つ。
海外作家さんのパターンは日本語で書かれていません。
そもそも、日本で一般的な編み図ではなく「文章パターン」と呼ばれる形式で記載されていることが多いです。
購入される際は、言語の確認をお忘れなく。
日本語パターンが無い場合でも、用語を検索しながら編むことは可能です。
編み物に沼ってみるのも楽しい
いかがでしたでしょうか?
編み物と一口に言っても、その奥は深い深い森なのです。
朝でも夜でも、家でも外でも、編み物は楽しめる。
ファッションとしても楽しめる。
あなたも、この森に、沼に、ハマってみませんか?
離島で趣味暮らしを満喫する自営業30代主婦