おひとりさま以外お断りの喫茶食堂に行ってみた
カフェって、ひとり時間を過ごすのには絶好の場所ですよね。
好きなドリンクを飲みながら好きなように過ごせる。
長居しても怒られにくい。
ひとりでも入りやすいし、居やすい。
ひとりで過ごすのに都合のいい条件が揃った場所、それがカフェのように思います。
最近はあちこちにカフェが増え、魅力ある個性的なお店も多くなっているように感じます。
「ぜひ行ってみたい」というカフェが増えるのは、ソロ活愛好者にとっても嬉しいですよね。
今回はそんな個性的なカフェの中から、“ひとり時間を過ごしたいとき専用”とも言うべきお店をご紹介。
おひとりさま専用の喫茶食堂「kenohi(ケノヒ)」さんです。
あなたの一人時間に寄り添う喫茶食堂「kenohi(ケノヒ)」
今回ご紹介するのは、武蔵小山にある「kenohi(ケノヒ)」。
「あなたの一人時間に寄り添う喫茶食堂」というコンセプトのこのお店は、2019年4月にオープンしました。
店主は、ひかるさん。
ITベンチャーへ入社後3年間働き退職。その後、日常を整える空間と食事を提供したいという想いからこのお店を開きました。
「kenohi」とは、ハレとケの、「ケの日」を表しています。
「ケの日」は日常を指す言葉。
何気ない日常に寄り添いたいという想いが込められています。
・自分と向き合い、心を整える時間を過ごせるところ
・自分の生活を整える礎になる場所
そんな場所を作っていきたいという、ひかるさんのお店もオープンから4年。
「kenohi」には、ひとりの時間を大切にしたいたくさんの人がやってきて、思い思いの時間を過ごしています。
今回は実際に、そんな「kenohi」さんにお邪魔してきました。
武蔵小山の商店街にある、こじんまりとした喫茶食堂
武蔵小山という駅、はじめて降り立ちました。
目黒駅から2駅。急行も止まるせいか、なかなかににぎやかです。
駅から歩いて約10分。
メインストリートからややそれた方向に延びる昔ながらの商店街の中に、「kenohi」はありました。
とても小さなお店なので、最初、気づかずに通り過ぎてしまいました。
かわいらしい雰囲気の緑のドアを開けると。。。
入口から、店内のすべてが見渡せるくらいこじんまりとしたスペース。
真ん中部分は空いていて、正面に厨房。
8席程度の席はすべて外側を向いていて、お客さん同士が顔があわせないような配置になっています。
おもしろい。ひとり専用と言うだけあります。
店内にお客さんは、自分以外に4人。
平日の夕方、お店の席数に対しては結構な埋まり具合です。
「お好きな席にどうぞ」
店主のひかるさんの抑えた声に促され、一番端の席に。
駅から歩いてきた勢い(?)をまとったまま入店した私には、店内の静けさがややプレッシャー。
とても落ち着いた雰囲気の中、そのモードに入っていない自分は違和感があり、少し申し訳ない気持ちにもなりました。
「落ち着かなきゃ」なんて思っている時に限って、床に置かれた荷物入れのかごを蹴ったりしちゃうんですよね。
ほかの皆さん、騒がしくてごめんなさい。
注文前にひかるさんから差し出されたのが、お店での過ごし方ルールが書かれた紙。
「この内容にご理解いただけましたらご注文ください」
とのこと。
・2時間ごとにオーダーすれば長居してもOK
・店内での電話、大きな声でのおしゃべりはダメ
みんなが気持ちよくひとり時間を過ごすためのお約束なので、内容としては納得です。
お約束事がわかったので、壁の黒板に書かれたメニューの中からパウンドケーキとブレンドコーヒーをオーダーしました。
店主のこだわりがギュッと詰まった店の中
店内に流れる音楽(くるりかな?)をしばし聞きながら、お店の中を観察してみます。
席の正面は壁。
これはもう、自分に向き合う専用の席の作りです。
壁の手前に一冊の小説が。
『ときどき旅に出るカフェ』
という本が入っています。
空いていた隣の席を見ると、そこにはまた違う小説が。
どうやらひかるさんのおすすすめ本が置かれているようです。
こういった偶然の出会いって、ちょっと楽しいです。
小説と一緒に、小さな便箋と封筒、ペンが。
読んだ本の感想を書いた郵便を送れるということなのかな?
と思ったらそこに、ひかるさんからのメッセージがありました。
*****
「さて、なにをしようかな」
ふらりと訪れてくださったあなたへ。
お手紙を書きながら、思いを馳せてみる。
読書をして、現実から離れてみる。
ペンも便箋も本も、ご自由にご利用ください。
今日は誰とも話していないし、店主に声を掛けてみる。
次の休みは何をしようか、考えてみる。
先延ばしにしていたあれこれに、手をつけてみる。
家だと、ダラダラしすぎてしまう。
家だと、テキパキしすぎてしまう。
あなたが、日常を整えられる時間を過ごせますように。
*****
なるほど。。。自分を整えるのには、いい場所ですねぇ。。。
ふと見まわすと本棚があり、いろいろな本がぎっしり。
ブックカフェの顔も持ったお店のようです。
こういうところに来ると、普段スマホばかり見ている私でも、本をパラパラしてみたくなるから雰囲気って不思議です。
壁の上の方には絵画が数点。
調べてみると、とつゆうさんという方の『森の暗闇、その悦び』個展として、期間限定で作品展示がされているようです。
カラフルな色彩の絵画がお店のあちこちに。
こちらはアートカフェのようなイメージです。
みんなが、思い思いのひとり時間を過ごしている
4人のお客さんはほんとにお店の静かな雰囲気になじんで、ひとり静かに本を読んだり何かの書き物をしたりしています。
小さなお店のあちこちで、すてきなひとり時間が誕生しているようです。
外の商店街の賑わいとはまるで別世界。不思議な感じです。
お店に来てから10分もすると、やっと自分も雰囲気にあう落ち着きモードになってきました。
そんなタイミングで、パウンドケーキとブレンドコーヒーが運ばれてきました。
パウンドケーキはふんわりしていて軽く、程よい甘さで好み。
ブレンドコーヒーも軽めで飲みやすかったです。
喫茶食堂と言うだけあって、ごはん類のメニューもいろいろあるようなので、今度はランチで来てみたいです。
コーヒーを飲んでさらにゆったりモードが深くなると、このお店の落ち着き加減が心地よくなってきました。
なんというか、慌ただしく働く自分に「まぁまぁ落ち着きなさいよ」と自分で言ってあげたくなるような気分。
厨房前の本棚には、お店にやってきた人が自由に書いて読めるノートがありましたが、パラパラめくってみると、ひかるさんに向けたメッセージがたくさん。
みんなにとって貴重な場所を作ってくれたひかるさんへ、感謝している人たちがたくさんいるんだなと感じました。
会計を済ますと、ひかるさんがドアまでお見送り。
「お気をつけて」
と優しい笑顔に見送られました。
ひかるさん、ひとりひとりのお客さんとの出会いを大切にされているのだなと感じました。
時間の流れ方が違うサードプレイス
今回は時間の都合であまり長居はできませんでしたが、他のお客さんはゆったり過ごしていました。その気持ち、わかります。
はじめて行った「kenohi」は、一週間働いて疲れた週末、家に帰る前にぼんやりしに来たくなるような、サードプレイスな空間でした。
kenohi 基本情報
住所 | 東京都目黒区目黒本町4-2-6 宝録堂ビル103(平和通り商店街内) |
最寄り駅 | 東急目黒線 武蔵小山駅 西口より徒歩7分 東急東横線 学芸大学駅 東口より徒歩20分 |
営業時間 | 10:00~21:00(L.O. 閉店30分前) ※火曜日のみ18:00閉店 ※営業日時は臨時で変更することあり |
定休日 | 日曜日・月曜日 |
インスタグラム | kenohi |
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