彼女曰く「ソロキャンプは瞑想体験」
ソロキャンプブームの高まりで、自然の中で過ごす心地よさに目覚めた人も少なくないと思います。
今回は、そんなソロキャンプに沼ったことで人生を変えたひとりの女性をご紹介。
その名も「おばキャン」さんです。
がむしゃらに働いて疲弊し、カラダとココロを壊したことをきっかけに、働く女性の幸せをサポートする事業を行うため会社を設立。
同時期に結婚するもその後離婚し、ひとり親に。
現在はビジネスパートナーと一緒に3人暮らし。
そんな波乱万丈な人生を歩いてきた彼女が、50代にしてなぜソロキャンプに目覚めたのか?
いろいろとお話を伺いました。
ソロキャンプをはじめたきっかけとは?
おばキャンさん:バースデーソロキャンプ。クリスマスホリデー&誕生日に2泊3日でソロとか我ながらエモすぎる
「ソロキャンプはいつごろから始められたのですか?」
思い返すとキャンプ自体は、20代の頃から友達としていました。たまたまキャンプ好きな男友達に連れて行ってもらったのですが、すごくいいなと。当時のキャンプ場と言えば今と違って清潔感もなく、全体的に武骨なものでしたが、自然の中にいることが妙に心地よかったことを覚えています。
「その頃からすでにキャンプの魅力は感じていたのですね」
結婚してからも家族でキャンプに行ったりしていましたが、2019年に元夫と別居することになり、ビジネスパートナーの女性と一人息子とで、共同生活がはじまりました。
その直後にやってきたのがコロナ禍。家から出ることが難しくなったわけですが、家にこもりきりではどうにも息が詰まり。。。で、「そうだキャンプ行こう」となり、そこから2年間はとにかく3人でキャンプに行きまくっていました。
「コロナでキャンプに行く人が増えた流れそのままですね」
「そうですね。wi-fiのあるキャンプ場も増えたので、八ヶ岳に2週間とか行って過ごしたこともありました。
ところが2022年、中学校に上がる直前に息子から「もうキャンプには行かない」と言われてしまいまして。。。父親代わりにならなきゃいけないと思い、火の起し方とか飯ごうでのご飯の炊き方とかを厳しく指導していたら、嫌になっちゃったみたいです。
「思春期あるあるとも言えそうですね」
重ねて、同居していたビジネスパートナーの母親が入院することになり、こちらもキャンプに行けなくなりました。
当時私はすっかりキャンプの沼にはまっていたので、これはかなりのショック。
もうキャンプには行けないのかと落ち込んでいたのですが、ふと「そうだ、ソロキャンプすればいいじゃん」と思い立ち、はじめてひとりでキャンプに行きました。
大泣きした、ソロキャンプ初体験
おばキャンさん:夜景と富士山を堪能。富士宮の夜景はつまみになります
「言ってみればしかたなくソロキャンプすることになったわけですが、どこに行かれましたか?」
行き先は、インスタグラムでフォローしているソロキャンパーさんが良く行っていた、茨城県の「tama海terrasse」でした。
サイト数が少なくこじんまりしている、管理人が常駐している、水場もホテル並みにキレイといったポイントが決め手になりました。
「はじめてのソロキャンプはいかがでしたか?」
もう、良かったなんてもんじゃないくらい良かったです(笑)
「なにがそんなに良かったですか?」
管理人さんがとてもフレンドリーで、「水平線から登る太陽をぜひ見てください」と教えてくれまして、早起きして見ていたんですね。
その太陽を見ながら、いつの間にか大泣きしていました(笑)
思い返すとそれまでの自分は、妻であり親であり社長でありと、常に役割を背負って生きてきていて、自分のために自分が何かをするということがありませんでした。
そんな思いがこみ上げてきて、「これからの人生は自分を喜ばせて生きていこう」と誓ったんですね。そんないろいろな感情が涙になってあふれてきたんだと思います。
「いろいろな想いがこみ上げてきたわけですね」
たったひとりというシチュエーションに、心の底から解放感を感じました。本当に自分の人生を変えた一日でしたね。
おばキャン的、ソロキャンプの楽しみ方
おばキャンさん:桜と富士山テーマで田貫湖へ
「それ以来、ソロキャンプにはまったわけですね?」
毎月行こうと思って行きはじめたら月イチでは収まらなくなって、今では月に2〜3回行っています。
「もう日常ですね」
すぐ行きたくなっちゃうんです。帰りの車の中で「次はどこ行こうかな」と考える始末なので。気に入ったキャンプ場にいつも行く人もいますが、私は知らないところに行きたいタイプなので、ユーチューブやインスタグラムを参考にして行き先を選んでいます。
「ソロキャンプに行ったときは、どんな風に過ごすのですか?」
「時間の過ごし方がわからない」と言う方は多くいますが、キャンプは意外とやることが多いんです。そもそもテントを立てないことにはなにも始められないので。
その他にも焚火するなら薪を割ったり、料理をするならその準備とか。そんなことをしているうちに、あっという間に時間は過ぎていきます。
「たしかに環境を整えるのに手間はかかりますね」
私はそれがいいと思ってるんです。作業に没頭することで無心になり、瞑想状態になる、頭が解放される。それが病みつきになる理由のひとつでもあります。
本を持って行ったりはしますが、実際にはほぼ読みません。お酒を飲みがら焚火を見てぼんやりするのが最高です。
「今まで行った中で、ここがよかったという場所はどこですか?」
富士山と桜を見ながらのお花見キャンプは最高で、やっぱり泣きました。絶景が好きなので、富士山ははずせないですね。目の前が富士宮の夜景、振り向くと富士山、右を向くと八ヶ岳という場所でのキャンプもすごく良かったです。
「ソロキャンプで苦労したエピソードはありますか?」
今お話ししたお花見キャンプの時は、キャンプする場所まで車が入れないにもかかわらず、桜を見たいがためにかなり遠くまで、10kgぐらいのキャンプ道具をリヤカーで運ぶ羽目になりました。道も起伏があって帰りはかなりきつかったですね。
秋のキャンプでは気温がちょうどいいだろうと思って、そこまで標高の高くないところに行ったのですが、予想に反してかなり暑くて眠れないといったこともありましたね。
おばキャン的、ソロキャンプのルールとは?
おばキャンさん:最新の装備です
「女性のソロキャンプはいろいろと注意するべき点もあるかと思いますが、自分で決めているルールのようなものはありますか?」
あります。一番大事なのは安心感です。私は本当に一人きりになるようなキャンプではなく、他のキャンパーさんが近くにいるくらいの、人気のあるソロキャンプをするようにしています。
あとは管理人さんが常駐しているもしくはすぐに連絡が取れるか、時間になったら門が締まって知らない人が入れないようになっているかなどもしっかりチェックします。
「キャンプ場選びから、すでにソロキャンプは始まっているわけですね」
事前準備は本当に大事なので、天気のチェックも欠かせません。キャンセル料金が直前まで発生しないようなキャンプ場を選び、ギリギリまで天候をチェックして、雨や強風、雷などが予想されるならキャンセルします。危険だし行っても楽しめないので。
ひとりなので自分の意志で行く行かないを決められるのは、ソロキャンプのメリットですね。
「天候は命にかかわるので細心の注意が必要ですよね。ほかにチェックするポイントはありますか?」
あとは自宅からキャンプ場までの距離ですね。自分が運転手なので、自宅から100~120キロの範囲内と決めて、疲れないように気を付けています。
これからソロキャンプを始める人へ、先輩からのアドバイス
おばキャンさん:基本どこでも仕事はします。仕事とプライベートの境目が曖昧なことに幸せを感じます。
「ソロキャンプは人気なのではじめたいという女性も多いと思いますが、なにかアドバイスはありますか?」
経験ゼロからソロキャンプをするのはかなりハードルが高い気がするので、最初はキャンプに慣れた人と行くのがおすすめです。
最近はソロキャンパーが集まって行う「ソログル」も人気なので、フレンドリーな人が揃うソログルに参加して、基本を教えてもらうのも良いと思います。
「女性は、虫の心配などもありそうです」
「私も虫は超苦手ですが、良い虫除けがあるので安心です。またテント内に蚊帳を張ってその中に寝るようにすれば虫は避けられますよ。
川の音など本当に気持ちよく、私の場合は自宅よりもぐっすりと眠れます。
おばキャンさん:夏場はコットの上にフィールドアのポップアップテントを乗せて蚊帳のようにして寝ています。メッシュなので涼しく虫よけにもなっておすすめ。amazon
おばキャンさんから、ソロキャンプに興味のある皆さんへのメッセージ
仕事を今後どうする、結婚どうする、出産どうするなど、今の女性は不確定要素が多すぎて頭がパンパンになっている人も少なくないと思います。
ストレス解消のために旅行に行って、エステやごはんを堪能して爆買いして。。。もいいのですが、ソロキャンプは心の底からデトックスができるのでおすすめです。
ひとりで準備を進めないといけないソロキャンプができると、「私もひとりでできた」という手応えを得られます。自然と防災スキルも高まって「自分、生きていけるな」という自信も湧いてきます。
そういった安心感が余裕になり、変な不安感に惑わされす本当に大事なことは何かが見えてくるはす。
何かに迷ったり悩んだりしている人にこそ、ソロキャンプを体験してみてほしいです。
自然の中にいるだけでも癒されますよ。
自然の中に身を置いて、自分と対話する貴重なひとり時間「ソロキャンプ」。
苦労も多いソロキャンプですが、人生においてかけがえのない体験になるかもしれません。
事前準備をしっかりして、ぜひソロキャンプに挑戦してみてください。
ソロキャンプ活動はtwitterで発信中。@obachan_camp
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